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法演せんせいと『往復書簡』 ー2通目ー


(この記事は、サイト「往復書簡」2021年5月10日の記事を遷移したものです。)




ルーシー・グリーンせんせい



すてきなお手紙ありがとうございました。 とっても嬉しかったです。


わたしは東洋がいちおうメインですが、恥ずかしながら節操のない雑食の悪食タイプ。 西洋の星占いもタロットも大好物です。 どれもキラキラしていて、とても魅惑的な占術だとおもっています。 実はわたしもずっと、せんせいといつかエレメントについてお話できたらと思っていました。


せんせいがお手紙に書いてくださった「こころ」と「からだ」が密接な関係にあるのは、東洋の五行思想ではとても自然な思考法で、幼少期から修験者である母の影響で東洋思想にどっぷりだったわたしには、そこで衝撃をお受けになられたことにびっくりいたしました。


せんせいのどぎもを引っこ抜けたなんて、東洋思想をちょっと誇らしくもおもいました。


五行思想は東洋の占術の根幹です。 五行は「木火土金水」の5種類のエレメントで何でも解決しちゃうぜ! という極めて強引でシンプルな思想なのですが、西洋のエレメントはさらに少ない4種類だと知ったとき、今度はわたしのどぎもが引っこ抜かれました。


5でも「すくな!」と思っていたのに、4。


西洋ってなんて強気なのでしょうか。


せんせいがおっしゃるとおり、五行思想以外のエレメントではほぼ必ず「風」が入っています。


これがとても興味深いのです。


わたしはテレビで初めて竜巻が動いてるのを見たとき、「これが竜巻か!」と食い入るように見入りました。日本の、さらに小さな大阪で生まれ育ったわたしは絵本でしか竜巻を見たことがなかったのです。


追い風、向かい風、嵐、竜巻、そよ風などもぜんぶ風。


エレメントに風が入ってくるくらい、風が身近にある世界。


もっと風を感じてみたいと思いました。


そして、なぜ五行には風がないのかを考えてみたのですが、「見えないから」ではないでしょうか。



(奈良千光寺 弘法大師像 撮影:法演先生)


「木火土金水」はどれもすべて存在が目に見えますが、風は感じることしかできません。


風の存在を確認するためには、葉が揺れたり、雲が動くのを見るしかありません。


これが理由ではないかとおもいました。



それともうひとつ。 せんせいが書いておられた 「ひとりの人間の中にもそれら(自然)があると考えた。こわくないのかな。」 という部分が、とてもおもしろく感じました。


わたしは「からだの中にある」というのではなく「自然がからだを構成してる」と受け止めています。自然が体内にあるのではなく、東洋的に考えると自然から体が作られているのです。


西洋は自然と人間を分けて考えるようにおもいます。


東洋は人間も自然のいちぶと捉えているようにおもいます。


語りだしたら止まりません。 せんせいとの交換日記、とても楽しいです。


法演





(同じく奈良千光寺 弁才天像 撮影:法演先生) 奈良千光寺 https://motosanjyo-senkouji.com/


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法演

真言宗醍醐寺派修験者。 占い師というよりも占いオタク。 ライターとしても活動しており、基本は受け身の人見知り、末っ子気質。「占いは自分できる」をテーマに楽しく活動中。

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