星のおはなし。
星占いでは10個の天体を使って占う。
冥王星は、もう科学的には惑星じゃなくて、準惑星だけど、
星占いの世界では今も大きな力を持つと考えられている。
ここ15年、あなたは「ゾンビ映画」を見続けていた。
そこで得たものとは。
今年も"書く系占い師"(わたしだ)は、メディアへ提出する「来年の運勢」の原稿をしたためる季節が始まっている。(今年もノリノリで書いているので公開を期待して欲しい。)
書きながら、「2023年3月」というワードを多用せざるを得ないことに気づく。
どの星座の人にとっても、それぞれのテーマの「節目」となるタイミングとして。
なぜなら、星の移動が続くからだ。
ざっと挙げてみると、
2023.3.
①土星がみずがめ座→うお座へ移動
②冥王星がやぎ座→みずがめ座へ移動
③火星がふたご座→かに座へ移動
(④木星のいるおひつじ座へ太陽が移動)
と、毎年毎月あるわけじゃない移動がある。
そのうち、冥王星のことを今日は話したい。
ーーー
冥王、というくらいなので、「死の国の王」の星だ。
ひとつの星座を移動するまでにかかる時間も、他の星々の比ではなく何十年と長い。
(一番短い天体の月で、2,3日程度だ。)
前回、冥王星が、星座を移動したのは、2008年のことで、
いて座→やぎ座へと移った。
となると、もちろんまた次の星座(みずがめ座)へ移動する時が訪れるのだけど、
その第一回目が来年2023年3月末に訪れる。
第一回、と言ったのは、みずがめ座に移動した後も、やぎ座へ引き返し、そしてまたみずがめ座へ入る…という第二回目のイングレス(星座移動)があるから。
人間に置き換えるなら、転勤が決まっている人が、一度、新居地へあいさつがてら出張滞在し、また家に戻り、関係各所へ別れをつげたり部屋を片付けたりした後に、満を辞して引っ越すような流れが行われる…と考えてもらうといいだろうか。
ひとつの場所に2008-2023(本格的な引っ越しは2024)暮らすというと、まあ長い期間だと思う。
生まれたての赤ちゃんなら成長して義務教育を終える頃。
おとなだってこれだけの時間があれば、まあまあドラスティックに人生が変わっていたりする。
冥王星は、「死の国の王」の星。
星占いでは星座や天体にいろんな意味を与えている。
冥王星なら、[死、生、性、戦争、欲望、核、支配、誘拐、極端さ]などが象徴として挙げられる。
(「完全マスター西洋占星術」松村潔著 (説話社)より、一部参照。)
モンスターとかゾンビとかのホラー映画のおどろおどろしくて、生と死のぎりぎりを感じさせるみたいなパワーが冥王星に与えられた意味。
それを15年も、感じてきた。と思ってみてほしい。どの星座生まれさんも。
ーーーーー
ときどきInstagram上で、「質問会」なるものを行なっている。
お悩みとか、わたしへのメッセージとかを気軽に投稿してもらいお答えするもの。
前回の質問会-Instagram
https://www.instagram.com/stories/highlights/18188598922225061/?hl=ja
その中で、やぎ座生まれの人から「嫉妬や起きてもいないことへの不安にとりつかれてしまう」というご相談をもらった。
冥王星っぽい、テーマのご相談だ。
冥王星は一体感を必要とする。
生というものは、aとbとがひとつになった時にできるから。
一体感を保つために、束縛や嫉妬という技を発動させる。
話が少し飛ぶのだけど、わたしはおばけが苦手だ。
なのに、見たくなってしまう性分でもある。いわゆる、怖いもの見たさ。
日本でも公開された韓国映画「新感染」を観た時に、ビビり倒しながら気づいたのが「ゾンビって、寒いんじゃないか」ということ。
死は体から熱を奪う。血が巡らず体が冷えていく。
熱を補うために、ゾンビは人の肉をむさぼるのではないか。
満たされない思いを抱いて、人の温もりを必要とする。相手の自由を奪ってでも。
このことに気づいた時、ゾンビの人間らしさ「共感できるところがあるな」と思ったものである。ゾンビの生き方(死に方?)は、人々の心の奥の方で凍えている「寂しさ」と呼応する。
話は戻って、やぎ座の相談者さんも自分の中の「寂しさ」にうすうす気づいているからこそ、嫉妬や不安が発動するのだと思う。
冥王星が彼女に、人の温もりを追い求めるよう促す。
嫉妬や不安、束縛、執着心。
そういうものは、よくないものとされる。
人の自由を奪い、時には命すら奪おうとする極端さがあるから。
だけど、寂しさがなければ?
きっと怖くて、人のプライベートゾーンへ飛び込むなんて、できなかったのでは。
ーーーーーーー
冥王星は、星占いでは冥府の神がモチーフとして扱われる。
普段は気づかないけれど、その時に絶大な威力で人の心にのしかかる。
そんな力を、誰しもが心の闇に持っている。
でも、ただの役立たずで邪悪な星、ではない。
自分の心の奥に隠していた闇の、さらにその奥にあるものまでも引きずり出してくれる。
人を必要とする、想い。
自分以外の人に畏怖の念を抱き、
相手と自分の闇を受け入れ結びつける力強さ。
ふつうに、平和に、おだやかに過ごしているだけなら気づけない、劇薬のような感情。
捨ててしまうのは、もったいなくないですか?
愛せよ、激情。
それがあるから人と絆を結ぶチャンスも生まれるのだから。
あなたがこの15年ほど向き合ったある種の「欲望」は、
そんな可能性を秘めている。
きっと星座を移動する2023.3月末を過ぎた頃、
向き合い続けてきた激情を愛おしく思えるんじゃないだろうか。