(この記事は、インスタグラムで2023/7/4に公開したものです。)
自分の中の山羊座を引き出したい時に
映画『午後8時の訪問者』
ゆうべ、月を見た?
昨夜は、やぎ座のフルムーンだった。
やぎ座という星座は、言うなれば武士、サムライのように、ストイックで高潔。そして人の上に立つ実務者の星座。
だから月はそんなやぎ座にいる時、実は居心地が悪いとされる。
満ち欠けしその姿を変えるように気分や体調に浮き沈みを与え、弱っている人を庇護できるエモーショナルな天体である月が、自分自身をコントロールし厳しく躾けようとするやぎ座では本領発揮できないから。
アデル・エネル演じる主人公の医師ジェニーにやぎ座を感じた。
誠実で親切、医師として優秀な彼女だけど、人を頼らず大袈裟な笑顔も見せない彼女は周囲に頼りにされる反面、小さな緊張感を与える。
事件も、そんな彼女の厳しさが引き金になった。
ある日、若い女性が遺体で発見される。ジェニーは前夜、時間外にインターホンを押したその少女の診療を拒んでいた。「自分が応対していれば彼女は助かったかも。」身元が分からない被害者を家族のもとに返すため、その名前を探し始めるジェニー。調べて行く先々で人に出会い、人間の罪悪感や良心に向き合っていく。
誰だって、自分の罪と向き合うのはつらい。楽しくない。
だけどそこから逃げることで、問題はさらに大きくなり誰かを傷つけてしまう。
やぎ座の持つ「厳しさ」は人を窮屈にさせるけれど、逃げることを押し止まらせる。
自分の中の誠実さを失わないために。
この映画と、やぎ座のフルムーンがあなたを見つめてる。
映画 『午後8時の訪問者』
出演 アデル・エネル adèlehaenel
2016年製作/106分/G/ベルギー・フランス合作
原題:La fille inconnue
配給:ビターズ・エンド(映画・comより) https://www.bitters.co.jp/pm8/
